最近、社会科学分野のシミュレーション技術の向上に伴い、自動車渋滞の発生を予測できるようになりつつあります。下のアニメーションは、セルオートマトンを使い渋滞現象を再現した結果です。渋滞のセルオートマトンは整数計算のみを行うため、計算中誤差が発生せず、また計算速度が速いという特長があります。渋滞のセルオートマトンは、遠く離れた(途中渋滞が頻繁に発生する箇所を含む)2点間を移動するのに要する時間をかなり正確に予測することができます(通常、下のようなアニメーション化は行いません。数値のみを算出します)。

渋滞のセルオートマトンは、「出発前に到着時刻をかなり正確に知ることができる」ために、例えば流通業においてロジスティックスの計画性を向上させることができると期待されています。また、経済効果計算を行う上で、採算のとれる道路を選定し、また道路の車線数や、トンネルの数などコストに見合う道路計画を立案するために、精度の高い交通流シミュレーションが求められつつあるといえます。

計算負荷が小さいからという理由で採用され始めた従来の巨視的モデル(流体モデルなど)に基づいた精度の低いシミュレーション法に換えて、微視的モデル(セルオートマトン)に基づいた精度の高いシミュレーション法を採用すべきときが到来したということができます。計算機の能力がかつてとは比較にならないほど向上したからです。さらに計算並列化を行えば、わずか数分から数十分間程度で、首都圏数百万台の自動車を対象として100km四方の範囲の交通流シミュレーションを行うことが可能となっています。

高速道路上において渋滞が発生する初期状態を再現した結果(Adobe Flash対応の環境でご覧ください)。

順調に流れている場合(上)と、サグ付近等において渋滞が発生する初期状態を再現した結果(下)