近年、電子計算機の発達に伴い、物質の性質や様々な物理現象の解析に、物質を構成する原子・分子を計算機内で直接扱う方法が、さかんに行われるようになってきました。これは、原子・分子間の相互作用や外部からの力を適当に仮定し、ニュートンの運動方程式により決定論的に原子・分子の動きを追跡するものであり、数万程度の原子・分子を設定した計算が行われています。

更に、量子力学の効果を取り入れた第一原理分子動力学(FPMD)も行われています。ここで「第一原理」とは、「現象論的な情報をも用いず、物理学の基礎方程式から全てを解明する」という意味でつけられていますが、もちろん現実には程度問題です。これに対して、先のものは、古典分子動力学(CMD)とも呼ばれます。

FPMDにおいては、まずは原子核の動きを固定し、シュレーディンガー方程式よりハートリー・フォック近似等を用いて電子状態を計算します。ついで、この電子がつくるポテンシャル内における原子核の動きを計算します。実際には、あまりにも複雑な計算となるので、様々な近似方法が使われます。

例えば、原子核・電子ではなく、イオン・荷電子の系と考え、イオンが作るポテンシャル(擬ポテンシャル)内での電子状態の計算を行います。また、電子状態も、有限個の平面波などで展開して計算することになります。

FPMDに関しては、多くの有用なソフトが開発されていますが、あまりにも計算時間がかかってしまうので、まずは少数原子でFPMDによる計算を行い、得られたデータを用いてCMDで大規模な計算を行うこともあるようです。

当社は、このような分子動力学の経験があり、様々な業務内容に対応することが可能です。